今回は、梅の花を使って真華を行いました。
真華とは真理の華と解います。 これは四季にいのちの流転を現す草木によって、真理を顕示する華ということです。
真言密教では宇宙のありとあらゆる存在、現象、作用の中に真理は偏在していることを明らかにしています。
ただ人がそれをなかなか覚知できず、そのために秘密の教となり、感受するにも深浅を生じているのです。
その原因はどこにあるのか、それは「我(が)」に執着する、自らの心のなかにあります。
我に執らわれた自分本位の心には、総てがありのままには写らず、実態を見誤ったり、見失ったりすることとなるのです。
この自信をも覆い隠す「我」を離れた心の様子を「菩提心(ぼだいしん)」と呼びますが、この心を発起(はっき)することによって真華への道は開かれます。
そのような心によれば存在、現象、作用の「根源的なもの」「本性」があきらかになっていき、またその境地に到ってのことを「大」の一字を加えて示します。
宇宙の本性を観察し、覚知すれば、仏、人、花、鳥、山と、その万物が一つの繋がりの中で観えてきます。
その眼で花をいけるその人も即、その相(すがた)は顕かに仏であり、観る人の心に留まるものとなります。
それが真華であり、真華をいける心得であります。
※以上の文章は、華道高野山教本を参考・引用して作成しております。
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